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東京デザインオフィスの松尾です。
「ハーブ&ドロシー」
監督はNY在住の日本人女性、佐々木芽生さん。
公開前から楽しみにしていて、先日観てきました。
渋谷のシアター・イメージフォーラムです。
郵便局員のハーブと、図書館司書のドロシーのヴォーゲル夫妻は実在の人物。
新婚時代から続く、共通の楽しみは現代アートのコレクション。
夫妻が購入するアートを選ぶ基準はふたつ。
自分たちのお給料で買えるものであること。
マンハッタンの1LDKのアパートに入る大きさであること。
せっせとギャラリーやアトリエに通い、
アーティストに直接会ってコミュニケーションを取る姿は、
作品の意図する真意を探り、思考プロセスを理解することを楽しんでいるかのようです。
そうやって約30年で買い集めた4000点にものぼる「若手作家」の作品は、
20世紀アート史に名を残すアーティストの名作ばかりになります。
数点売却すれば、大富豪。
でも1点の作品も売ることなく、夫妻は全てのコレクションをナショナル・ギャラリーに寄贈。
(理由はナショナル・ギャラリーは入場無料だから!)
そして今も、新婚当時とかわらず、今もマンハッタンの小さなアパートに住み続けています。
そんな彼らが作品を観て発する言葉が、とてもすくないのです。
Wow !! It's so beautiful!
なんて美しいの。素晴らしい色彩ね。
小難しいことは一切言いません。
モダンアートに正面から対峙して、「美しいかどうか」のみに集中します。
夫婦のありかた、アートの感じかた。
いろいろなことが心に響く、素晴らしいドキュメントでした。
アートの森の小さな巨人、というサブタイトルのこの映画。
東京ではシアター・イメージフォーラムのみで上映中。是非是非是非。